歯周病治療における当院の取り組み
五十嵐歯科医院では歯周病治療に力を入れています。というのも、成人が歯を失う原因の第1位が歯周病(42%)だからなのです。第2位は虫歯で32%となっています。
歯周病の恐ろしさは、初期段階では自覚症状がほとんどないところにあります。歯茎の腫れや出血が気になる場合には、歯周病がかなり進行している可能性があります。
歯科治療の目的は、ご自身の天然の歯をできるだけ健康に保ち、長く使い続けることです。その視点に立つと、歯を失う原因第1位である歯周病の治療は、歯科治療の中で特に力を入れるべき分野ということになります。
五十嵐歯科医院では、歯周病の治療・予防について次のような取り組みをしています。
①歯周ポケットの深さから、歯の状態を知る
歯周病は、初期段階では自覚症状がほとんどないのが恐ろしいところです。自覚症状がないために、放置して悪化させてしまう人が非常に多いのです。歯ぐきから血が出たり、腫れや痛みが見られたりする場合、歯周病がかなり進行していることもあります。
当院では、歯周病の進行度を知るために、歯と歯茎の間にできる歯周ポケットの深さを測る検査を最初に行います。その他、患者様のさまざまな症状を診ながら総合的に判断し、適切な治療計画を立てます。歯周病は基本的に、歯石の徹底的な除去と、歯ぐきの腫れを引き締める治療で治していきます。
②2種類のスケーラーを使い分ける
歯に付着している汚れである歯石は、その名の通り、石のように固い汚れなので歯ブラシでは取り除くことができません。歯石の中には歯周病の原因となる細菌が大量に住み着いていますので、徹底的に除去する必要があります。
歯石はスケーラーという専用の道具で除去していきます。使用するのは、「超音波スケーラー」と「ハンドスケーラー」の2種類です。超音波スケーラーは歯の表面に付いている広範囲の歯石を取るのに適しており、ハンドスケーラーは歯と歯茎、歯と歯の間など、より細かい部分の歯石を取るのに適しています。
2種類のスケーラーをうまく使い分けることで、効率よく歯石を取り除いていきます。
③患者様への丁寧な説明
歯に痛みがある、グラグラと揺れるなどの自覚症状がある場合、治療しなければならないということは誰もが理解できます。しかし、歯周病は初期段階では目立った症状がほとんどないので、治療の必要性を感じないという方も少なくありません。
そこで当院では、歯周病の原因をはじめ、歯周病を放置するとどうなるか、全身疾患との関係まで詳しく説明し、歯周病の恐ろしさをご理解いただけるようにしています。そして患者様に治療の必要性をご納得いただいた後で、治療を開始いたします。
日本人の80%が歯周病にかかっています
日本において、成人が歯周病になっている割合はとても高いとされています。少しでも歯石が付いているなど、症状の軽い方を含めると成人の80%は歯周病になっているという研究結果も報告されているくらいです。
しかし、歯周病について知識を持つ方は少なく、どのように予防したらよいかも知られていません。歯茎が腫れたり、血が出たり、歯のグラつきを感じたりしてからようやく歯科医院に通うという方も少なくはありません。痛みや出血といった自覚症状が出る頃には歯周病が進行していることがほとんどですので、治療期間も長くなってしまいます。
歯周病の初期症状としては、口臭が挙げられます。口臭が気になる場合には、歯周病を疑って受診されることをおすすめします。さらに、歯周病のリスクを高める習慣として喫煙があります。たばこを吸う習慣がある人は、歯周病になりやすいという認識を持っていただければ幸いです。
歯周病は全身疾患にも深く関係しています
歯周病は、歯を失う原因の第一位というだけでもこわい病気といえますが、その恐ろしさはお口の中にとどまりません。
歯周病が、心臓病や脳卒中、糖尿病といった全身の病気とも深い関連があるということが、近年の研究によって明らかになっています。たとえば、歯周病菌が血管に侵入すると、全身に菌が移動します。そうなると、歯周病菌の刺激により動脈硬化を起こしたり、血管内にプラーク(血の塊)を作って血管を詰まらせ心筋梗塞を起こしたりします。脳内の血管が詰まれば、脳梗塞となります。歯周病の人は、そうでない人の2.8倍、脳梗塞になりやすいといわれています。また、歯周病菌のまき散らす毒素が血糖値に悪影響を与えるということも分かっており、糖尿病を持つ方にとっても恐ろしい病気となっています。
妊婦さんが歯周病を持っている場合、早産や低体重児出産のリスクが高まります。妊婦さんの歯周病は、タバコやアルコール、高齢出産よりも遥かに高いリスク要因であることが明らかになってきています。
歯だけの問題に終わらないのが歯周病です。できるだけ早く発見して治療することが必要です。
歯周病の治療方法
歯周病の原因は、歯の表面に付着している歯石の中に潜んでいる細菌です。しかし、一度の治療ですべての歯石を取り除くことはできません。また、歯周病が進行している場合は複雑な治療になり、治療期間が長くなる可能性があります。
五十嵐歯科医院では、歯周病の治療を行うにあたり、歯周ポケットの深さや歯肉の腫れ、出血の状況を検査し、患者様と共に治療計画を立てていきます。
①軽度の歯周病の場合:歯のクリーニング
歯周病がそれほど進行しておらず、歯茎の深い部分にまで達していない場合、歯のクリーニング(歯石除去)によって治療していきます。
歯石を徹底的に取り除くためには、数回の通院が必要です。一度歯石を取った部分は、歯肉の腫れが引き締まってくるので、腫れによって見えなかった歯石も見えるようになります。そこを次の治療で除去すると、一層歯ぐきが引き締まります。その繰り返しによって徹底的な歯石除去を行っていきます。
中度の歯周病の場合:ルートプレーニング
特殊な道具を用いて、歯周ポケットの深い部分まで入り込んだ汚れや歯石を取り除いていきます。
歯周病菌が歯茎の深い部分にまで進行していると、歯茎が腫れていたり、出血していたりしますが、歯科衛生士が行うルートプレーニングによって、症状は改善されます。
重度の歯周病の場合:歯周外科
歯茎の腫れや出血を放置したままにすると、歯周病はかなり深くまで進行します。こうなるとルートプレーニングでも歯石や汚れを取り除くことができません。さらに進行すると、歯を支えている骨が溶け、歯が抜けてしまいます。
ここまで進んだ重度の歯周病では、治療に痛みが伴うため麻酔を用いることになります。場合によっては、歯茎の一部を切開してから歯石除去を行う外科治療が必要です。治療期間も非常に長くなりますので、歯周病をここまで放置しないようにしましょう。
恵比寿で歯周病治療をご検討の方へ
五十嵐歯科医院では、成人が歯を失う原因の第一位である歯周病の治療に力を注いでおります。恵比寿で歯周病治療を検討していらっしゃる方は、ぜひ当院までご相談ください。